劇場版「ワンダーウォール」を観た

Wornderwall the Movie


2020/04/11
藤田昭人


とうとう緊急事態宣言が出されてしまいましたが、 みなさんいかがお過ごしでしょうか?

さっき劇場版「ワンダーウォール」を観てきました。 昨日 4/10 に出町座で封切られたばかりなんだけど、 時節柄、京都でもいつ映画館に休業要請が出されるかわからない から…僕、個人的には予定どおり最後まで公開できれば良いなと思ってます。

ドラマ 「ワンダーウォール」 はNHK BSプレミアムの地域ドラマの放送枠で2018年夏に放映されました。 劇場版「ワンダーウォール」の本編はNHK版に若干の未公開シーンを追加された本編と、 最後に2019年に撮影された(と思われる)演奏風景が追加されています。 2019年追加分の詳細はネタバレになるので劇場で観てください。

ただ、このドラマは on going なトピックでもあるので、 以下の2点だけは周知しておきます。

  • 近衛寮(吉田寮)はかろうじて存続している
  • 大学は寮生15人を法的に訴えた。裁判は係争中。

ドラマを制作した人達はどこにも語ってないのですけども、 テレビ放映時とほとんど内容の変わらない劇場版が企画されたのは、 この2点がトリガーだったのではないかと僕は邪推してます。

本編では岡山天音扮する志村が「大学は闘い方を変えた」と語るシーンが出てきます。 これ「寮生も闘い方を変えなければならない」と示唆しているようにも受け取れる。 真の目的が寮の跡地利用であることもドラマで語られています。 これ、僕はリアルでも何度か聞いたことがあります。 確かに東大も阪大も東工大も既に新しいカッコいい建屋が幾つも立ってるもんねぇ。 そういったことも踏まえると法的手段に訴えた大学側の苦悩も透けて見えます。 振り上げた拳のおろしどころに困ってる感は半端ないです。 強引に解決できるタイミングは何度もあったはず。 そうなってないのは「万事公論に決すべし」ということなのかもしれない。

観賞後「ワンダーウォール写真集」なるものが販売されていたので購入しました。

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ワンダーウォール写真集

ちょっとお高かったですが、なんかのカンパにはなるかと思って。


先日、Facebookスペイン風邪与謝野晶子の文章のことをちょこっと書いたのですが、 この大流行の時には既に 吉田寮 は今の場所に立っていたのですよ(寮内を探せばスペイン風邪の時の記録が出てくるかもしれない)。 そして今も(かろうじて)学生寮として運営されている。

個人的には京大にも吉田寮にも何の縁もゆかりもない訳ですが、 近所に住んでる歴史オタクのおっさんとして素朴に思うことは 「京都市中には1000年を超える建屋も幾つか現存していて保存に膨大な労力を使っているというのに、 何故100年前から続いてきた生きた文化が守れないのか?」 です。この観点からドラマ(そして劇場版)の制作者の(隠された?)意図に共感・支持するところであります。

「本当に潰しちゃって良いのですか?」

ですね。皆さんはどう思われますか?

以上