つくよみちゃん Recitation(未完)

Tsukuyomi-chan Recitation (unfinished)


2022/12/23
藤田昭人


5日間連続投稿の5日目、最終回です。

スマホ全盛で、 帯域を湯水の如く使える今日では 全く需要がないであろう、 CLIベースの音声プログラムの解説記事に お付き合いいただき 大変ありがとうございます。

しかし書き始めたときには全く意識していなかったのですが…

このように「毎日、何か書かなければならない!!」 プレッシャーがかかると、 1980年代のハッキング・レポート風の 記事になっちゃうんですね、 僕は*1。 やっぱりこれが楽しくて プログラムを書いてたんだよなぁ。 すっかり忘れてたけど…

さてさて…

最終日なのでオチをつけなくちゃ‼︎

既に12月に入ってましたが 何とか t2s が動いたので、 当初から考えてた recitation なる プログラムの作成に取りかかりました。 1年ぶりに復活した記事 で口走った 「つくよみちゃん」 に「京都検定」の問題を読み上げてもらう… というヤツです。

でも、これは時間切れで 授業には間にあいませんでした。


京都検定の過去問

ちなみに…

京都検定京都商工会議所が 主催する検定試験ですが

www.kyotokentei.ne.jp

過去問題は試験後に京都新聞に掲載されます。

www.kyoto-np.co.jp

先日実施された第21回の3級の試験問題はこちら

www.kyoto-np.co.jp

1年ぶりに復活した記事 でも語りましたが、 昨年の「童話読み聞かせ」の実習が 学生たちにことの他ウケが良かったので、 「次なるネタ」と僕は密かに考えていたのです*2

僕のような京都在住者にとって、 「京都検定」の問題は 日常生活に密着したトピックが出題されます。 例えば、うちの近所の石薬師御門は、 僕にとって真夏の暑い日の夕暮れに 夕涼みがてらアイスを食べる場所なんですけどね。

それに音声合成のサンプルテキストとしても、 京都特有の(風変わりな読みの)地名や人名が たくさん登場するので、なかなか興味深い*3。なので「つくよみちゃん」に 「京都検定」の問題を読み上げてもらおうと考えてました。


SHAREVOX とCOEIROINK に「京都検定」の問題を読んでもらう

で、講義では VOICEVOX と SHAREVOX、 それから COEIROINK を紹介するつもりだったので、 資料を書く都合から SHAREVOX と COEIROINK に ひとつ前の第20回(令和4年夏)の 第1問の問題文と4択の回答を 読み上げてもらいました。

まずは SHAREVOX から…

次に COEIROINK にも…

いかがでしょうか? Twitter の動画ではわかりにくいかもしれませんが、 生で聞くと COEIROINK の声質のグレードが明らかに上でした。 特に4つの回答例の頭の ア、イ、ウ、エ の発音では SHAREVOX の発声は少し不快な感じがしました。

なるほど 「つくよみちゃん」の声の主である 夢前黎 さんが時折 Twitter で呟いているのは こういうことだったのか…


つくよみちゃん Recitation は…未完

実は、この問題に気がついたのは 授業の前々日ぐらいだったのです。 で、COEIROINKの「つくよみちゃん」ボイスを SHAREVOX に移植する方法でジタバタして半日。 結局、打つ手を思いつかずにタイムアップとなりました。

このジタバタのために大きくタイムロスすることになり、 Recitation のCコードを実装する時間もなくなり、 授業では SHAREVOX と COEIROINK のデモだけにしました。

くそぉ❗️❗️❗️❗️❗️❗️

…ということで、 つくよみちゃん Recitation は今のところ未完です。 問題は声質のグレードの問題だけではなく、 例えば回答例(ア)の「青龍」は「アオリュウ」 って読んじゃうんだよね。 これは SHAREVOX と COEIROINK 共通の問題で、 読みの修正自体は SHAREVOX あるいは COEIROINK でやれば良いのですが、その修正結果を 各々のプロジェクトファイルから 取り出す機能も必要かと…

それに学生諸君に実習してもらうには ウェブアプリ化も必要だし…

まだまだ先は長いなぁ… というのが今の僕の感想です。



でもね…

この作業に没頭していたときの僕は 明らかに35〜6年 若返っていたんだと思います。

そうそう、 僕はこういうことが 楽しいって思えるから プログラマーになったんだよ。 本当に忘れてたけど…

5日間付き合っていただいた 読者の皆さんには 申し訳ないオチですいません。

でも、僕はまだ諦めてませんからね。

それではお約束の…

#つくよみちゃんを利用してフォロワー増やしたい

以上

*1:確か 日本国内ではインターネットが全く普及しておらず、 WWW(World Wide Web)もちろん存在しなかった1986年頃、 それでも電子メールは使えていたし、 今日のSNSとよく似た使用感のある NetNews も存在してました。 そこでは…

ソースコードは全部送ってください。
でもデータ量を抑えるため diff などを活用して。

もちろん説明は必要です。 送った意味がなくなりますから…
でも最小限のコメントやヒントに留めてください。
くれぐれも、くだらないことを書いて データ量を増やさないよう 十分注意してください。

…といった大いに矛盾するチェックが行われていました。

日本国内では JUNET という公衆回線網 (電話線ネットワークですね) による情報インフラが存在したのです。 全く帯域制御のないネットワークですので、 こうやってデータ量を抑制しないと モデムが何時間もピーヒューとなり続けて、 ネットワーク管理者が 「来月の電話代はどれくらい請求されるんだろう?」 と青い顔をしていたのです。30年前ぐらいの話です。

そもそも…

民営化直後のNTTが 「社内の部門に電話代を請求するルールもシステムもない」 を逆手に取って…

NTTの某研究所が日本全国の主要大学に電話をかけまくることでバックボーンを維持する

…という公然の秘密の元に 成り立っていた ゲリラ的アプローチによる 無料ネットワークでしたので、 破綻の兆しは日常のそこらじゅうに 転がっていたのですが…

でも、そんな事情は全く知らない 僕のような鼻垂れ小僧プログラマーは ムキになってレポート風のヨタ話を 毎日投稿していました😀

たぶん当時 「こんな馬鹿げたことは そう長くは続けていけない」 と考えていたのは 村井さんとその周辺だけではないのかな?

*2:もっとも、実際の授業で「京都検定」の話題は出たのですが、 学生諸君の関心は今ひとつという感じでしたが…

*3:先ほどの「いしやくしごもん」を カナ漢字変換すると「石薬師五問」になりませんか?