人工知能

アラン・チューリングは「人工知能を予言した男」だったのか?

Is Alan Turing "the man who predicted artificial intelligence"? (最終)2020/07/03 (追記)2020/06/26 (追記)2020/06/24 2020/07/03 藤田昭人 遅くなってしまいましたが… (再放送の)再放送が終わったのでブログを書きます。 www.nhk.jp 「科学史の…

ローブナー・コンテストの歴史

1990年代のAIのパラダイム・シフトと 100年前の脚気の原因論争と対比して 2020/06/18 藤田昭人 【注意】本稿は僕の思考プロセスをそのまま文に落としてしまいました。長いです。 【注意】長文を読みたくない方は結論だけご覧ください。 在宅勤務を始めて2…

AI(人工知能)の愚かさ

Artificial Stupidity 2020/05/14 藤田昭人 緊急事態宣言は延長されましたが、コロナ感染のピークは過ぎたような… みなさんいかがお過ごしでしょうか? 前回の最後で『人工知能(AI)』という用語について 「21世紀の今日、どうやらこの用語は前世紀の遺物…

「人工知能」か?それとも「知能機械」か?

The bad luck of Alan Turing. 2020/04/29 藤田昭人 巷では「STAY HOME」と叫ばれてますが、 みなさんいかがお過ごしでしょうか? 僕の場合、幸か不幸かELIZA本の執筆時間を融通しやすくなってる訳ですが…問題は他のところで発生してます。ひと言で言えば「…

記事:音声業界のプロ46名からの音声AI 2020予測

某所で教えてもらった voicebot.ai の記事 "Voice AI 2020 Predictions from 46 Voice Industry Pros" の全文を「みらい翻訳」で翻訳してみました。 実は、この記事、最初は原文を読んだんですが、案外見直すことが多くて、その都度同じ単語を何度も辞書引き…

ELIZA NG(1)今時の傾聴対話を考える

Thinking about listening dialogue with current technology and social conditions. 2019/11/19 藤田昭人 タイトルの NG は "New Generation" です。"Not Good" ではありません(笑) 前回 の ELIZA 第2論文は楽しんでいただけたでしょうか? この論文の…

ELIZA(6)第2の論文:機械が「理解」するということ

論文 "Contextual Understanding by Computers" を読む 2019/11/11 藤田昭人 ようやく話が Joseph Weizenbaum に戻ってきました。 本稿では Joseph Weizenbaum の ELIZA を扱った2本目の論文 "Contextual Understanding by Computers" を取り上げます。 原…

論文:コンピュータによるコンテキストの理解

1967年に発表された Joseph Weizenbaum の ELIZA に関する2本目の論文 "Contextual Understanding by Computers" の全文および僕が機械翻訳を使って訳した(へっぽこ)翻訳です。 オリジナルは https://cse.buffalo.edu/~rapaport/572/S02/weizenbaum.eliza…

備忘録:ブログで扱ったSFとAIのトピックの年表

今まで扱ったトピックを年表にしてみました 2019/11/3 藤田昭人 前回 の告知で「序章はそろそろ一旦区切りにして本編に戻る」と宣言したのですが、 これまで半年近く書きつられてきた事がどういう脈絡なのか 書いてる本人にもわからなくなってきてしまったの…

告知(2)勉強会

前回の告知 から間が空いてしまいましたが… ブログに草稿をアップするようになって9ヶ月になりましたので、 ここで現状について諸々書き残しておくことにます。 まずは、昨日ようやく「序章 後編その5」をアップしました。 さっき調べてみたら「序章 前編…

AI(人工知能)を予感させる架空の技術:ポジトロニック・ブレイン

〜遅ればせながら、序章めいたものを(後編その5)〜 2019/10/22 藤田昭人 古典的なSF小説にAIの片鱗を見つける試みを始めて3ヶ月が経っちゃいましたが… AI("Artificial Intelligence", 人工知能)という用語は1956年の ダートマス会議 ("Dartmout…

サイエンス・フィクションのゴールデン・エイジ

〜遅ればせながら、序章めいたものを(後編その4)〜 2019/08/18 藤田昭人 SFをテーマにした「序章 後編その4」の本稿では、 SFのゴールデン・エイジについて紹介したいと思います。 後編その1 では「第2次世界大戦が終わった1940年代後半のアメリカ…

アンドロイドの起源

〜遅ればせながら、序章めいたものを(後編その3)〜 2019/08/03 藤田昭人 SFをテーマにした「序章 後編その3」の本稿では、ヴェルヌやウェルズの時代、 つまり19世紀のSFシーンに本ブログの主題である人工知能が登場していたのか?を追いかけたいと…

サイエンス・フィクションの起源

〜遅ればせながら、序章めいたものを(後編その2)〜 2019/08/02 藤田昭人 SFをテーマにした「序章 後編その2」の本稿では、さらに時代を遡ってみます。 というのも月への旅行を扱ったSFと言えば、 ジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』も語るべきです…

宇宙を舞台にしたサイエンス・フィクション

〜遅ればせながら、序章めいたものを(後編その1)〜 2019/08/01 藤田昭人 気がついたら2ヶ月ぶりのブログ更新になってしまいました。 お察しのとおり序章で悶絶してます。 そもそも1960年代の 対話システムELIZAの登場 までの前振りのつもりだったのです…

「スプートニク・ショック」〜遅ればせながら、序章めいたものを…(中編)

2019/05/30 藤田昭人 「遅ればせながら、序文めいたものを…」 の続きを書こうと資料を読み返してみたのですが、これまた1回分で終わりそうに無い。 なので「スプートニク・ショック」と「アポロ計画」に分けます。 それから分量が増えすぎたので序文ではな…

ELIZA/DOCTORに(無理やり)日本語を喋らせる

2019/05/15 藤田昭人 以前書いた記事 の締めで「ELIZAと日本語で対話したいと思いつつ、本ページを終了します。」などと書いたまま音沙汰なしだったのですが、 実は裏で作業をしてました。それなりに区切りが着いたので(開発途上ですが)紹介します。 2019/…

遅ればせながら、序文めいたものを…前編

2019/04/30 藤田昭人 ちょこっとだけ書こうとしたら結構長くなったので、 1回分としてまとめることにしました。 GWスペシャルって事で… 僕が「ELIZA本」と呼んでいるこのシリーズの読み物パートは、いきなり「ダートマス会議」だとか「Project MAC」だと…

今時の JavaScript で動きそうなELIZA実装は?

2019/04/16 藤田昭人 このページは 今時の開発環境で動きそうなELIZA実装は? の続編のようなものです。今回は JavaScript 限定で実装を紹介します。 僕が勝手に信じ込んでるだけなのかもしれないのですが、スマートスピーカー用アプリ(スキルと言うらしい…

ELIZA(5)開発の背景は?

2019/04/12 藤田昭人 ここしばらくコードを使ったページが続いたので、久々にウンチク系の内容で。 精神分析医シミュレーターで有名になった ELIZA。そこには Weizenbaum の巧妙な戦略が隠されていた…と言うことは既に紹介しました。 では、この巧みな戦略を…

告知(1)ELIZA本の草稿を公開します

これは告知文です。 昨年からあちらこちらで僕が公言していたELIZA本ですが、その草稿をブログの形で公開することになりました。 取り敢えずはまとめて6本。実は既に公開していたのですが、以下の6本を書き溜めるまで告知は控えました。 AI(人工知能)…

ELIZA(4)DOCTOR スクリプト

2019/04/04 藤田昭人 またまた間が開いてしまいましたが・・・ 前回のページでは ELIZA のスクリプトの記法を紹介しながらスクリプト・エンジンの動作を追っかけてみましたが、このページでは(かの有名な) DOCTOR スクリプトの振る舞いを追っかけてみたい…

ELIZA(3)スクリプト ー 応答を作り出す仕掛け

2019/03/19 藤田昭人 間が空いてしまいました。 これも確定申告に忙殺されていたせいです(笑) さて、クライアント中心療法に関する僕のへっぽこレポートはいかがだったでしょうか? これを書いてみて、僕はクライアント中心療法の要点が次の3つだと理解し…

ELIZA(2)クライアント中心療法とは?

2019/02/26藤田昭人 ELIZAの紹介では必ずと言って良いほどに登場するクライアント中心療法ですが、でも 英語が堪能な方はこちらを見ていただくとして… 上記のような経緯により以前は出版されていた日本語対訳はいずれも廃刊になっているようです。やむなく日…

ELIZA(1)「傾聴」を模倣するプログラムとは?

2019/02/18 藤田昭人 自分で言っておいて何なんですが「音声付き人工無脳と会話を楽しむ」のは、会話する当人にとっては何となく気恥ずかしい、傍目にみてると何だか不気味な…街中でイヤホンを付けてスマホで電話しているような…印象があります。それが街中…

人工無脳って知ってる?

2019/02/16 藤田昭人 今回は僕の思い出話から… 人生初の人工知能 かつてパソコン(パーソナル・コンピュータ)がマイコン(マイクロ・コンピュータ)と呼ばれていた時代、もちろん任天堂のファミコン(ファミリ・コンピュータ)もまだ販売されてなかったので…

AI(人工知能)っていつから始まったの? ー ダートマス会議の内幕

2019/02/08 藤田昭人 AI(人工知能)のブームはまだまだ続いているようですが… 現在のAIブームが3度目であることをご存知ない方も多いのではないでしょうか?実は、AI(人工知能)という言葉はおよそ60年前に登場しました。浮き沈みの激しい情報系…

今時の開発環境で動きそうなELIZA実装は?

2018/07/02 藤田昭人 『ELIZAをめぐるあれこれ(仮)』について その1 ワイゼンバウムの作ったオリジナルとの互換性を維持し、今時のソフトウェア開発環境でも比較的容易に動作する ELIZA 実装を探して見ました。 まずは LISP の実装から… 書籍 "Artificial…

『ELIZAをめぐるあれこれ(仮)』について

『ELIZAをめぐるあれこれ(仮)』について 実は、昨今のAIブームに乗っかって、個人的に興味のある対話システムについて書きたいとの思いから、割と安直にその始祖であるELIZAに着目したのです。おそらくそれを出発点にその後のいろんな研究成果を追っかけて…